ツナワタリマイライフ

日常ネタから技術ネタ、音楽ネタまで何でも書きます。

同期との勉強会を終えて学んだこと

はじめに

2月、自分が立ち上げた、同期との勉強会が終わった。いや、終わらせた。立ち上げたのは2014年の12月。1年と3ヶ月でした。いろいろ、思いがありすぎて、何を書こうか迷うな。でも何か書かないといけない気がするから、思いついたものを書き残しておく。

勉強会の概要

同じソフトウェア開発の同期で、長いこと研修を一緒にしてきて、バラバラに配属されたあとも、何か一緒にやれたらな、という漠然な思いで立ち上げた。

  • 隔週で実施
  • 1セッション30分(質疑込み)で3〜4セッション
  • 発表は立候補or指名
  • 定時後、会社の会議室で実施。(勤務記録つけるかは所属部署次第だが、多くのひとがつけてないはず。)
  • 発表内容は自由。必ず技術じゃなくてもいい。

まず内々に相談して、感触を探ったあと、全体に目的やルールを広報、参加したい、と手をあげてくれたひとが参加できるルール。結果、20人近くのひとが手をあげてくれた。

ポリシーは主催者のワンマンにならないよう、みんなで作る勉強会にしたい、というもの。だから参加や発表を強制することはしなかった。上司には開催条件で全員が発表できる仕組み(輪番発表とか)を作ること、と言われたけど、それだけ守らなかった。

運営の工夫

最初は自分が日程調整、発表者にお願いする、当日の司会をするってことを5回目ぐらいまでしてた。でも、ワンマンにしたくないってことや、意見を取り入れやすくするために5人運営係をお願いして、複数人でまわすようにした。

モチベーションの低下、そして終了へ

最初は20人のうち毎回半分ぐらいは参加していたけど、徐々に参加者が減っていって、最も少ない会では4人に。それまでも人数が減っていたのは気にしていて、どうにかできないかなって考えていたけど、そのために運営側が何かやるってのがそもそもみんなで作るってポリシーに反してる、と考え、潔くやめてしまうことにした。

勉強会運営をしてみての感想

「自分からは積極的に何か変えたいとは思わないけど頼まれたら発表するし、気が向いたら参加する」ってひとが多いことを知った。というか思い知った。そりゃそうよね。分かってて立ち上げたはずじゃん。

僕は、技術を何も持ってなくて、技術を持ってる仲間に声かけて、会を作って、楽しいことする、ぐらいしかできることがない。それが唯一の武器だった。だから、自分が1番学べたと思う。

反面、既に知ってることが多いひとにとっては概要を説明するばかり(参加者に知識の差があるので浅い説明にせざるを得ない)で参加モチベーションが下がるという声を聞いた。それはもちろん、そうだろう。勉強会はきっかけに過ぎなくて、そのあと自分が動くためのエネルギーになる存在でしかない。

結局いろんな考えやモチベーションのひとがいて、全員が全員納得行くことはできなくて、折り合いつけながらやるしかなくて、そのために活発な意見交換を期待していたけど、それを引き出すことができなかったのかな、とも少し思った。でも、やれることはやったと思ってる。満足してる。声をあげて、説明して、立ち上げて、自分で示して、動かす。それを得意としているから、あとは自走する仕組みを整えるところだったんだけど、いよいよ転がらなくなったので、やめることにした。理由は感情的な部分で、ひとが減っていくのが悲しい、が大部分をしめる。

誰も悪くないんだ。やってよかったと自信をもって言える。みんな手をあげてくれて本当にありがとう。

コミュニティを維持するために必要なこと

どんなコミュニティだって、絶対誰かの苦労と手間の上で成り立っている。受けるだけじゃなくて全員が主催者にならなきゃ続かない。無料で受けられるサービスじゃない。不満があるなら自分で変えるんだ。声をあげなきゃ何も変わらない。営利組織ならそのモチベーションを引き出すのがマネージャの役割かもしれないけど、そうじゃないからね。

その折り合いが、難しくて、悩んだ。だってモチベーションを引き出す必要はないんだよ、同じ目的を持った組織じゃないんだもん。それをすべきか、しないべきかで、悩んだ。でも最後まで理想を見ていたくて、動けなかった。みんなが自律的に動いて、良くしようと声をあげて、変わっていく世界を。

今回気づいたこともある。もっと個別に声を聞くことだ。みんな自分が想像してるよりも賢いことを考えている、でも声にしない。その声を拾い上げることが今後できたらと思う。

勉強会に参加して得たこと

運営について長々と書いたので本命の技術面で得たものを振り返る。

スライド作りに対する意識

スライドベースで発表をする。自分は短いLTも含めて5回以上発表した。そのたび「分かりやすいプレゼン」ってなんだ?ってのを問い続けてきたことが良かったみたい。1年前と違って大幅に変わった。気づいた知見をまとめると

  • 喋りベースで、スライドはそのサポート
  • 文字を極力減らし、図を使う
  • 情報を極力減らし、大筋の論理に集中する

あとは結論に問題提起をいれるとその後の議論になったりして面白い。ストーリー面だと「なぜこの発表をしようと思ったか/このテーマに取り組んだか」は必須だと思う。

何事も経験というつもりはなくて、考えて試行錯誤することが大事。

あらゆるきっかけ

  • markdownを知った。今ではすっかり身についている。
  • 情熱プログラマを読んだ。「1番の下手くそであれ」は今でも大事な言葉。
  • 同期と、この勉強会運営アプリを作った。Ruby on Railsを学んだ。
  • Ansibleを知った。使ってみた。
  • 「いいスライド」とは何か考えた。
  • Vagrantを知った。今は気軽にVMを作って壊せる。
  • Githubに作ったものを公開する仲間をいた。自分もそうなりたいと思った。

あげきれないですね。全ての発表が大事なきっかけで、自分にとってのエネルギーでした。得たものは本当に多い。

まとめ

1mmも後悔してない、終わるのは寂しい。

多分勉強会ってのは、モチベーションのコントロールが1番の課題。モチベーションを保つシンプルな術は共通の目的を持って何かを作る・学ぶことだ。今回僕はそれよりも幅広い分野の仲間とつながってたくて、幅広い分野に興味を持ちたくて、その懸念を分かってでもやった。それは当初の考えから変わってない。今回は自然とそれが尽きただけだった。

僕たちソフトウェア技術者は外部からの刺激を、好奇心を失ったら死ぬ。だからまたきっと僕は似たようなことをしようとするだろうな。